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リスクマネジメント・ご家族対応
タイトル 障害施設の利用者が暴れ職員に怪我をさせた
...
質問

障害施設の施設長です。先日、職員(女性)が知的障害のある利用者に顔を殴られ、怪我(全治2週間)をするということがありました。 労働基準監督署に確認したところ、第三者行為災害になる可能性は低いとの事で、通常の労災申請をまずは行う事になりました。

このような場合、その利用者のご家族等に賠償などを求めていくことは可能なのでしょうか? 介護事業所でも、認知症の方等からの暴言や暴力が非常に多いと聞きますが、基本的にどの様な対応をするべきか、教えていただければと思います。

回答

悩ましい問題ですが、暴力事件を起こす張本人であるご利用者は、判断能力が見込まれない以上法的には「責任無能力者」として扱われ、何かあった場合はその者を管理監督する事業所の責任ということにされてしまいます。女性職員の治療費等は、労災でカバーしきれない場合は雇用主である法人がもつことになります。

今回の様な危険行動を認識し次第、何かしらの対策を具体的に講じることが現実的です。 まず、なぜ今回の事件が起きたのかを詳細にわたり分析し原因を突き止め、突発的に精神状態が不安定になる要因を発見したのであればそれを想定した再発防止策を考案し実践に導入します。或いは症状を和らげる投薬など別の解決策が考えられないかカンファレンスを行うのも一法です。

その様な施策を講じた上で、どうしても施設として対処しきれない様であれば「ご利用者が暴れて困る」ということをご家族に告げ、あまりにひどい場合は退所して頂く場合もあると説明します。

一筋縄ではいかないかもしれませんが、一番いけないことはただ様子見を続け何もしないことです。市の福祉課などに相談されても良いでしょう。