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リスクマネジメント・ご家族対応
タイトル 治療費等を払うと責任を認めたことになる?
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質問

特養の施設長です。施設内ショートステイで転倒事故が起き、ご家族に治療費・入院費18万円全額を法人負担でお支払い示談したのですが、ご家族は納得しておられないらしく訴訟を起こされるおそれがあります。

こちらが治療費を払ってしまったことで、施設として責任を認めたことになるのでしょうか。

回答

認めたことにはならず、治療費等を払うことは不利になるものではありませんのでご安心ください。

訴訟前は示談交渉の段階になりますが、それは飽くまで任意の交渉の場になりますので、部分的に合意が成立したのであればそこは未解決の部分(将来の介護費用や慰謝料等)とは切り離されます。従って、裁判になれば家族側は治療費等既払い額を除外した残りを請求してくることとなります。

悔やまれるのが、施設側の認識としては「これで示談した」と思っていたにもかかわらず、蒸し返されてしまったことです。

もし本当に一回きりの支払いで納得してもらえたのであれば、施設側で用意した示談書にサインしてもらい、その中に「その余の債権債務が存在しないことを確認します。」という条項があれば法的拘束力が生じていました。次回からは書面を取り交わす様意識されると良いでしょう。