有料老人ホームでの送迎について
有料の事務局長です。弊施設ではご利用者の希望に応じて、買い物やお墓参り等のちょっとした個人的な外出をしたいというニーズに応えて施設の送迎者車を出すというサービスを提供しています。
送迎時は、運転手と介護職が一人付き添うのですが、その人件費は月々の介護サービス利用料に含まれるということでガソリン代だけ頂いています。ところが、最近ホーム業界の集まりで協会の方が「輸送サービスを有償で提供することは違法なので控えるように」と言われ驚きました。もう何年もこのサービスを続けているのですが、止めなければならないのでしょうか。
実はその通りです。有料老人ホームという括りに関係なく、事業としてお金を取り移送サービスを提供するときは、道路運送法という法律の規定により「旅客自動車運送事業」(他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して旅客を運送する事業。法2条3項)としての許可を国交省から得なければなりません。
しかし現実には、ご相談者の様に既に何年もこのサービスを当然の様に提供している施設が無数にあります。 結局のところ本件は、国交省と厚労省という二つの官庁にまたがる問題であるにも拘わらず両省の連携・指導不足の結果であるところ、本件に関する両省の共同アナウンス等は未出の状態です。本件は実務上も有料外出支援のシステムが定着してしまっており、また一般の有償運送等とは事情が多いに異なるため混乱を回避するためにも何らかの調整策を講じ改めて指導することは必要ではないかと両省に提言したところ、意見として参考にするとの回答でした。政策的配慮が強く求められるところと考えます。