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労働問題について
タイトル コロナ関連:職員のプライベートをどこまで管理できるか
...
質問

老健の施設長です。コロナ感染防止のために、職員に対し休日の外出自粛を呼び掛けているのですが、言うことを聞いてくれない人もいます。
先日、SNSで「パチンコに行った」という投稿を職員がしていたことが分かり厳重注意しましたが、このように表に出ない限り把握しようがありません。

他施設では、「プライベートでの外出禁止令」を出したところもあると聞きますが、流石にそこまでは雇用主の立場としてできず、実効性もないでしょうしあまり職員の反発を招きたくもありません。

定例にならい、「三密を避けること」「不要不急の外出はしないこと」「外出時はマスク着用、帰宅時は手洗いうがいを徹底すること」といった呼びかけしかできないものでしょうか。

回答 悩ましい問題ですが、お考えの通り雇用主の立場で職員のプライベートを管理することには限界があるので、一律の外出禁止令までは行き過ぎ(無効と主張されてしまう)と思われます。原則として、一個人としての行動の自由は認められなければなりません。
しかし、医療介護施設は特にクラスター抑止の要請が高く、ご利用者と日々接する職員に対しては比較的高度な節制が求められて然るべきといえるでしょう。

4月14日に次のような報道がありました。

新型コロナ 広島市で22人感染 介護職の女性ら クラスター発生

介護・福祉施設としても、こうした事態を避ける必要があります。

「三密を避ける」という表現では漠然としているため、「複数名の集まりに参加しないこと、判断に迷うときは事前に事務局に相談すること、間違っても感染可能性が高い場所に行ったことをSNS等で公開、流出させないこと」等を予め箇条書きにして書面で伝え、一人一人に同意の署名を貰うといったことが考えられます。
その他、現実問題として、もしプライベートで明らかに感染したと分かる場合には、業務起因性が認められず労災も認定されないことになります。そうなると結局不利益を被るのは自分であり、周囲にも多大な損害が及ぶため、行動に気を付けて欲しいと呼びかけることも効果的かと思います。