PAGETOP

弁護士が運営する介護・福祉情報サイト外岡さんに聞いてみよう!
介護・福祉系弁護士法人 おかげさま
MENU
  • 外岡さんってこんな人
  • 本サイトの特徴
  • 介護事業所様のお問い合わせはこちらから
  • その他法的なお問い合わせはこちらから
知っておきたい!介護・福祉のトラブルについて
  • 実際にあった介護裁判事例
  • 裁判の仕組みと責任の認定基準
  • 介護・福祉の世界の用語辞典
労働問題について
タイトル 勤務時間のカウントについて
...
質問

訪問介護を経営している者です。勤務時間のカウントについて、職員が遅刻・早退・中抜けをした場合、何分単位で計算するかにつき何か労働基準法上決まりがあるのでしょうか。

「正社員が15分遅刻した場合」や「パート社員が20分早退した場合」等で、例えば正社員は30分単位、パートは15分単位で切り捨てるといった扱いは可能でしょうか。

回答

基本的に労働時間のカウントについては、厳密に働いた時間を基準としなければならず、 1分単位で計算することが原則となっています。特にこの点を明文で定めた条文等は無いのですが、強いて挙げると労働基準法第24条1項において、労働者が労働した時間に対する賃金の全額を支払うよう定められている点が根拠といえます。

15分、30分といった単位での計算は飽くまで一般社会での慣行であり、法律に照らせばこの様な独自ルールにより労働時間を切り捨てる様な処分は「違法」と評価されざるを得ないといえます。正社員・非正社員で異なる計算方法を用いることも、法律上は認められず、いざ労基に駆け込まれるとこれまでの未払い分を払うように、と指導されるおそれが大きいと思われます。

ただし、日々の残業時間を1か月分合計した結果の30分未満を切り捨て、30分以上を切り上げるという操作は例外的に認められています(昭和63年基発150号)。最終的には、計算の煩雑さとの兼ね合いで最も無難な方法を選ぶのがベストかと思われます