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タイトル 葬儀社とのトラブル
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質問

関東在住の70代女性です。夫が亡くなり、人から紹介された葬儀社に電話で依頼したところ、その日のうちに担当者が来訪しました。

見積書によれば30人分で230万とのことでした。高いか安いかも分からず躊躇したのですが、担当者はとても早口で、「すぐ押印しないと斎場と火葬場を予約できず、葬儀が1週間先になる」など急かすようなものであり、内容は十分理解できませんでしたが結局勢いに押され契約してしまいました。

式当日は、告別式の際に不手際(戒名の間違い等)が多々あり、社長が謝罪に来るよう求めたところ、担当者によれば「社長は多忙でここ10年位会社に来ていない」「実質自分が責任者である」とのことでした。

結局葬儀社からは、後日お布施20万円分を差し引いた請求書が届きましたが、その他にも、 1 見積り外のものが追加料金に計上されていた 2 頼んでいない喪主の花や花束が発注されており、しかもお祝い用だった 3 斎場の照明が結婚式場のようだった といった問題があったのですが、頼んでいないものは払いたくありませんし二度とこのようなことがないように反省して欲しいと思います。どうすればよいでしょうか。

回答

葬儀業者は、一応経済産業省の所管ではありますが、許認可や届出の義務はありません。国民生活センターに寄せられる葬儀に関する苦情や相談が増加していますが、悪質な業者を取り締まる特別な法令や、業界団体によるモデル約款等に相当するものが作成されていないのが現状です。

従って、免許取り消しといった効果的なペナルティを科せられないのがもどかしいところなのですが、本件については契約自体を、消費者契約法第4条2項(不利益事実の不告知)により取り消すことが考えられます。

これは、追認することができるときから6か月間か、契約を結んだときから5年間のどちらか早いほうの期間が満了したときに消滅するためご注意ください。 そのためには、言ったいわないの争いを防ぐため、まず証拠固めとして最初に勧誘に来た人が具体的にどのような説明、発言をしたかをはっきり確認しておく必要があります。「1週間延びる」といった言動を本当したかどうかを確かめ、できれば文書で提出させ、或いは秘密録音しておくと良いでしょう。

それ以外の、無断での発注や当日のミス等については、いわゆる債務不履行(民法415条)に該当するとして相当額の減額を求めることが考えられます。 見積りや契約書ではっきり各義務を特定確認できる形になっていればより主張しやすいといえます。

こういった書面での事前の確認、取り交わしは非常に重要ですので、よく書面をチェックする癖をつけられるとよいですね。