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リスクマネジメント・ご家族対応
タイトル コロナ関連:在宅高齢者への支援が無くなったとき
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質問

独立の在宅ケアマネです。うちは田舎ですが、元々訪問やショートも不足気味で何とか在宅ご利用者の生活を維持してきました。

コロナに戦々恐々としていますが、今のところ喫緊の問題は生じていません。ですが、例えば担当ご利用者と同居のご家族がコロナウィルスに感染して入院したとします。その場合に、濃厚接触者とされた利用者が自宅に残されたら…と思うと不安です。要介護3で、自力では生活できない方です。

デイが休業してしまい、ヘルパー派遣も断られたら、家族のいない利用者を一人自宅に置き去りにする訳にもいかず、さりとて特養にも空きはありません。こうなったときどうすれば良いのでしょうか。

回答

こんなときこそ行政の出番です。緊急ショートや特養への措置入所を利用しましょう。

平時はいわゆる家庭内虐待の場合の措置入所ですが、老人福祉法はコロナの場合にも適用されます(厚労省3月6日事務連絡)。

参照:老人福祉法第10条第1項第3号

「六十五歳以上の者であつて、養護者の疾病その他の理由により、居宅において介護を受けることが一時的に困難となつたものが、やむを得ない事由により介護保険法 に規定する短期入所生活介護又は介護予防短期入所生活介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者を、政令で定める基準に従い、当該市町村の設置する老人短期入所施設若しくは第五条の二第四項の厚生労働省令で定める施設(以下「老人短期入所施設等」という。)に短期間入所させ、養護を行い、又は当該市町村以外の者の設置する老人短期入所施設等に短期間入所させ、養護することを委託すること。」


ですから、万一ご懸念の状況になったらすぐ包括と市区町村の高齢福祉課等に連絡、措置を検討してもらいつつご家族にも報告、了解を得ることです。万が一行政が渋るようなことがあれば(既に満床で行き場がないといった理由がある場合は仕方ないですが)、上記3月6日事務連絡を見せて措置は可能であると説得されるとよいでしょう。特に身寄りのない老々介護や独居の利用者はリスクが高く、本来積極的に行性が救済しなければなりません。

今やることは、現状の把握です。30人であれば30人全員にアンケートや聞き取りを行い、家族等がコロナに罹患した場合最も行政の助けが必要なご利用者を洗い出し、そのときを想定して対応方法を協議しておきます。行政にも事前相談し、そうなったとき動いてくれるかを確認します。

問題は本当に受け入れ先施設や病院が無くなったときです。こればかりは有限の資源ですからやむを得ません。その場合はやむを得ず在宅生活を維持して頂くしかないでしょう。ご自身の地域で、どこまで施設等の余力があるのかを確認できると安心なのですが…

地域のケアマネ連絡会でも情報を共有し、更には地域のデイ、訪問、ショート等の関連団体とも繋がりを持つことで、全員で団結して地域の高齢者を守っていきましょう。

いかなるときも最悪の事態を見つめ、想像し、そうなる前に先手を打っていくことが大切です。