医師による死亡確認前のエンゼルケア
特養の施設長です。看取り対応のご利用者で、施設において夜間死亡されると、医師はすぐ駆けつけられないという状況がよくあります。
亡くなられると死後硬直が始まり、また排せつ物で衣類が汚れている様な場合もあるので、医師が到着し死亡確認する前の間に、介護職員がお体の清拭、着替えやお化粧等のいわゆる「エンゼルケア」を行っていいものでしょうか。 ご家族、医師の了解があれば、問題にはなりませんが、純粋に法的な 部分では、違法ではと考えております。よろしくお願いいたします。
ご質問にあるような清拭、着替え、軽い化粧程度であれば問題ないものと思料します。エンゼルケアについては厚労省等からガイドラインも出ていないのが現状なので明確な根拠を示すことはできませんが、万が一存命だった場合、「その行為により死に至らしめてしまった」という最悪の事態さえ回避できれば基本的には問題ないといえるでしょう。
逆に言えば、鼻に詰め物をすることや、胃ろうチューブを勝手に抜いてしまうといった行為は厳禁です。医師法上、死亡確認は医師しかできないとされていますので、そのような行為は医師の死亡診断が下りてから着手する様にしましょう。
エンゼルケアは葬儀社をはじめ様々な団体が案内し説明していますが、具体的に何を指すか、その範囲が不明確であり注意が必要です。