ご利用者の死後身元引受人が退去の手続を進めてくれない
グループホームの計画担当者です。ある利用者が死亡し、私物が残されたのですが、相続人となった身元引受人のご長男は「処分すると相続放棄できなくなる」と言い張り、着手して頂けません。
空室のまま放置状態が続いていますが、施設としてはどうすれば宜しいでしょうか。なお私物は、仏壇やたんす、日本人形等があります。
ご長男の相続の事情とは関係なく、施設としては退去に伴う私物の撤去を求めることができますので、身元引受人として動いて頂くよう改めて申し入れるべきです。
なおご長男は、相続放棄について誤解されているようですが、一度でも遺産に手を付ければ放棄できなくなるというものではなく、むしろ「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」とされています(民法第940条)。
ましてやご長男は施設との関係で身元引受人という責任ある立場にあるのですから、施設側はもし長男が何もしないのであれば残置物撤去を求める訴訟を提起することとなります。その様な大ごとになる前に、取りあえず倉庫等に保管されるべきであることを理解して頂く他無いでしょう。