PAGETOP

弁護士が運営する介護・福祉情報サイト外岡さんに聞いてみよう!
介護・福祉系 法律事務所 おかげさま
MENU
  • 外岡さんってこんな人
  • 本サイトの特徴
  • 介護事業所様のお問い合わせはこちらから
  • その他法的なお問い合わせはこちらから
知っておきたい!介護・福祉のトラブルについて
  • 実際にあった介護裁判事例
  • 裁判の仕組みと責任の認定基準
  • 介護・福祉の世界の用語辞典
リスクマネジメント・ご家族対応
タイトル 賠償を求めてくる利用者家族を退去させられるか
...
質問

特養内ショートステイの管理者です。ある認知症のご利用者がリビングで転倒骨折され、ご家族が代理人弁護士を立て賠償を求めてきました。ご利用者はもう退院し、元の居室に復帰されています。

現場では、いつまたこのご利用者を転倒させてしまわないかビクビクしながら接しており、転倒事故がまた起きれば重ねて賠償を求められると思うと気が気ではありません。

ご利用者ご自身は何も悪く無いのですが、この様な状態ではご家族側と信頼関係が築けないものと思います。やむを得ずこちらから契約解除し退去して頂きたいのですが、そのようなことは可能でしょうか。

回答

事情は分かりますが、建前論としては非常に難しいと言わざるを得ません。事業所側からの解除を可能とする要件である「信頼関係破壊」とは、飽くまで事業所と利用者が対等な関係にあることを前提とした上で、利用者(またはその家族)が度を越した要求等の行為をしてくることによりサービス提供が困難となる場合を想定しています。

本件で問題視されている損害賠償の請求自体は、利用契約上も明記されたいわば当然の権利行使であり、この権利を行使したからといって「信頼関係が破壊された」とは言えないものなのです。 ちなみに、同種の事案である市の高齢者事業推進課事業者指導係に本件を報告し見解をお尋ねしたところ、やはり利用者との賠償問題について、提訴や示談交渉をすること自体をもって信頼関係の破壊と見做し施設側から一方的に解除することは認められないとの見解でした。

信頼関係破壊というためには、賠償を求めるにしても家族が職員に対し怒声を浴びせたり、何時間も拘束する等業務に支障を来す明らかな逸脱行為があることを要するものと考えます。

一点、もし反論するとしたら、その代理人の方は利用者の後見人なのでしょうか。弁護士といえど、依頼するご自身に判断力がなければその代理人となることはできず、認知症である以上後見人とならなければ、本来は代わりに請求することはできないはずです。そのような資格要件を問うという反撃方法は、有効であると思います。

まずはこちら!→メール相談のしかたとご利用上の注意(ご利用の前にお読み下さい)